茨城県における食中毒の現状
近年、1年間に届けられる食中毒の発生件数は全国で年間1200件程度でしたが、O−157による食中毒が多発した1996年以降、食中毒の発生件数は急激にのびています。平成12年1月から12月までの食中毒発生状況は、全国で2198件、患者数42658名(死者4名)、茨城県で28件、患者数538名(死者0名)、水戸市で5件、患者数74名という状況でした。同期の茨城県における特徴を保健福祉部生活衛生課は次のように上げています。月別発生状況として、7月から9月の多発次期に年間の約4割が発生しているが、その他の月もまんべんなく発生し、季節を問わず発生する傾向にある。原因物質としては細菌性食中毒が多く、サルモネラが1位で腸炎ビブリオ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌が続く。植物性自然毒である毒キノコによる発生も4件。動物性自然毒では家庭でのフグ中毒1件。化学物質によるもの1件。小型球形ウィルス(SRSV)によるものが急増している。原因施設として、一般的に家庭、飲食店、旅館の順と言われているが、最近は飲食店などの営業施設が最多。次いで家庭である。統計上、上記食中毒とは別に報告されている腸管出血性大腸菌O-157による感染症も32件(11年次53件)と減少したとのことです。
細菌性食中毒について
次に、発生原因として最も多い細菌性食中毒についてまとめてみましょう。細菌性食中毒にも毒素型と感染型があります。毒素型とは食品の中で増殖した菌が作り出す毒素によって起こるもので、昨年の牛乳が原因で発生したブドウ球菌食中毒やボツリヌス菌毒によるものなどです。感染型とはサルモネラ菌や腸炎ビブリオなどの病原性細菌そのものによって発生するものです。一般に菌種と食品の関係は、サルモネラ菌による食中毒は加熱不十分な食肉や卵、腸炎ビブリオは塩分を好むため、さしみ、たたき、すしなどの海産魚介類の生食、カンピロバクターは加熱不十分な鶏肉などが原因となります。最近急増している小型球形ウィルス(SRSV)による食中毒は細菌でなくウィルスによって発症するものですが、生がきやホタテのさしみなどが原因となることが多く、発生時期が冬期、人から人への二次感染も起こりうることが特徴です。これらの細菌は増殖しやすい環境(気温が高く湿度も高い時期)では5〜6時間で症状を発症するに十分な増殖をします。いずれの場合も症状は激しい下痢と腹痛、吐き気です。場合によっては発熱や悪寒も見られます。しかし、特殊な場合を除き同一の物を食した複数発生が無い場合は食中毒と診断は出来ません。
食中毒の予防
最後に、食中毒予防のポイントですが、「食中毒予防3原則」というものがあります。それは、@食中毒菌を付けない、A食中毒菌を増やさない、B食中毒菌をやっつけるです。この原則にしたがって家庭での注意点を考えて見ましょう。まず、買い物に行ったとき、あたりまえですが、賞味期限を確認して購入しましょう。卵などはひびわれなど無いか確認し、生で食べる場合は特に新鮮なものを購入し、できれば当日に食べるようにしましょう。肉や魚は新鮮なものを購入し、野菜など生で食べる食品と接触しないようビニール袋などに入れて持ち帰りましょう。買い物が済んだら寄り道せずできるだけ早く家へ帰りましょう。家へ帰る時間が長くなれば長くなるほど、食中毒菌は繁殖します。次に、家へ帰ったら冷蔵や冷凍が必要な食品はそれぞれ冷蔵庫、冷凍庫へ保存しましょう。冷蔵庫、冷凍庫の開閉はできるかぎり短時間にしましょう。それと、冷蔵庫を過信しないで買った食品は早めに使い切るようにしましょう。調理するときは、手洗いをしっかりこまめに何回もしましょう。冷蔵庫や電子レンジで可能なら室温解凍はせず、そちらを利用しましょう。包丁やまな板などの調理器具は、肉類・魚類・野菜などをいっしょに使用しないようにし、使用後はよく洗って乾燥させましょう。加熱調理は十分に行いましょう。食中毒菌をやっつける一番の方法です。しかし、内部まで加熱されていないと危険です。そして食べる段階になったら、手をしっかり洗って食べる習慣をつくりましょう。食器などは清潔な物を使用するのは当たり前です。刺身など生物は早く食べるようにしましょう。
最近、食中毒は季節に変わらず発生するようになって来ていますが、7月から9月は要注意の時期です。家族のため、できるだけ注意して食中毒の発生を予防しましょう。